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ルクリリと七里ヶ浜でランチ、ぼくに花が咲くらしい [Parallel life]

4月23日

最近入社してきた、やけに気の合うルクリリと遊ぶことになり、藤沢駅で待ち合わせた。
ルクリリは頭部に花が咲くので目立つ。今日は地球でいえば菜の花のような薄黄色の小さな花が頭畑いちめんに咲いていた。「待った?いい天気だね。」とルクリリは言った。80年代にニホンで流行したウエストポーチをつけているのが、妙にかわいい。

江ノ島電鉄に乗って、七里ヶ浜駅まで。
鎌倉高校前のところで、江ノ電は海岸通り(国道134号線)に沿いに出る。右側に青いおおきな海がひろがった瞬間、ルククリは「チュッッサああああ」と叫んだ。意味はわからないのだけれど、まあ、キレイだとか、そういう感嘆のニュアンスだろう。この風景は、SHONAN界隈に住んで長い僕も好きだ。

七里ヶ浜で降りて、江ノ電の線路を徒歩でひょいと超えると、民家の小さな門がある。ここから急な坂道を息をきらしてのぼっていくと、店がある。古い民家をちょっと改築した、オープンテラスの魚料理のお店だ。陽光のきらきら反射する相模の海を眼下に見下ろす。潮風がきもちいい。ルククリはここでも「チュッッサあ、ネッソ、チュッッサああああ」と感激だ。「ネッソ」って、「超」とかそんなんだろうね。以前聞いた話で、ルクリリの星は汚染が進んで海の近くには近寄れない。まあ、だからここへ連れてきたわけだが。

新鮮なアジの刺身やイワシの煮物、焼きハマグリ、シラス丼などを食べて、つめたいビールを飲んだ。食べながら、ルクリリの恋の悩みを聞いたりした。本人は恋だというが、それは単におまえの性欲だろ?てかルクリリ性欲異常だろ?という内容だったけれど、彼女とうまくやるためのアドバイスをいくつかしておいた。
上空をトンビが飛んでいる。風がつよくなって、ルクリリの頭畑の黄色い花が一気にほとんど全部飛んで、ぼくの顔におもいきりかかった。ルクリリは「あ、ごめん」と笑った。「それ、しばらく取れないから」
えーっ。

ルクリリというのは、名前じゃない。彼の星の名前だ。彼の星の民は、全員ルクリリだ。ルクリリ人は、自分と星の区別がない。私が星であり、星は私たちである、と彼がいうのを聞いたことがあるが、ぼくにはいまひとつ理解できない。

頭部の花は、性欲とは別の、レコア(魂)の繁殖手段でもあるらしい。皮膚から遺伝子が入る。これは今日知った。地球人のぼくは、今年の秋には、頭髪がすべて抜け落ちるらしい(笑) で、どうなるかというと、そう、来年の春、花が咲くらしい。どんな種類の花が咲くのか、その黄色いやつなのか?と聞いたら、「心を映すヨ」とはるか沖のほうを見つめて渋い顔で言った。
「つまり、要は、おれも、これからルクリリってことか」とぼくは言った。「もちろん」とルクリリは言った。「ルクリリはいいぞお。地球も美しいけど、もっとイイ」
ルクリリの海洋汚染は、浄化へ向かって仕上げの段階らしい。いつかルクリリへ連れて行ってくれて、ルクリリの魚を食べさせてくれると約束してくれた。
てか、えー・・・ 頭、そんなんなっちゃうの?ルクリリの魂がどんな境地へぼくを連れて行ってくれるのか楽しみでもあるから、まあいいか。


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